第1: 経営トップの強い関与
まず、経営トップ自身の強い関心を表明して頂くということです。
可能であれば、多くの場面で何回でもその思いや目的、重要性を表明して頂きたいと思います。
トップや上司が重要視していないことに対して、従業員はあまり関心を持ちません。いくら会社や組織の命令であっても、積極的な参加も期待できません。
マネジメントの一つの要点は「率先垂範」です。
バロメーターは、回収率にあらわれます。従業員の多くが重要であると考えて取組めば、高い回収率が見込めるでしょう。
また、トップが重視するか否かによって調査のアウトプットや、その結果を踏まえ起こす次のアクションの影響力も変わってきます。
まずトップが一番、熱心になるというのが理想です。
第2: 経営層が、組織変革として位置付ける
二つ目のお願いは、経営層が調査・診断を変革の第一ステップとして捉え、明確に位置づけるということです。
調査・診断の実施に関して担当者や社内へ伝達する際に、「変えなければいけない/変わらなければならない」、「そのために、まず現状を調べてみよう」といった文脈でその目的を伝えましょう。
担当者レベルになると、「手段が目的になる」ということがありがちです。
志が低くなり現状把握が目的になってしまうと、それ以上の活用がなかなか進まなくなります。
「変革」の第一ステップは現状認識から
組織変革に限らず、何かを変えようとする時に「現状を知ること」は、最初に踏むべき基本ステップです。
現状認識(現状を知る)
↓
ビジョン明確化(ありたい姿を描く)
↓
ギャップ認識
(現状とビジョンのギャップを問題として把握)
↓
ギャップ解消策(施策の立案)
組織変革の場合に重要な事は、経営層や一部の人間だけでなく、組織全体で「現状認識」を共有することです。
組織変革の理論で有名なジョン・コッター氏は、「変革のプロセス」は8つの段階からなると提唱しています。
- ①危機意識を高める
- ②変革推進チームをつくる
- ③適切なビジョンをつくる
- ④ビジョンの周知徹底
- ⑤従業員の自発的行動促進
- ⑥短期成果
- ⑦更なる変革
- ⑧根付かせる
調査結果の活用は、「変革のプロセス」第一ステップの「危機意識を高める」フェーズで行ないます。
現状を客観的に知ることで、 変わらなければならない事に気付き、危機意識を高めます。
トップがこのような見方で捉えるか否かで、貴組織内での、調査・診断の捉え方、使われ方が変わってきます。
調査・診断のコスト対効果を大きくする上で重要なポイントになります。