どのような調査タイプがあるか
次に、調査のタイプについて以下のようなタイプが考えられます。
目的と照らし合わせて選びましょう。
現状把握型
あらゆる視点からみて、組織の状態、従業員の意識の状態がどうなのか、現状を把握するものです。
ベンチマーク型
日本企業の場合、他者との比較感で語ることが、大きなインパクトをもたらします。
他社と比べて高い・低い、世の中の企業と比べて高い・低いといったスケールで、現状を把握する調査になります。
後述しますが、インパクト以外に、設問間の比較を行ない、優先順位を把握する上からもベンチマーク型は有効です。
問題発見型
問題意識を持っているが、具体的に何がどの程度問題なのか、問題の優先順位を特定するために行なう調査です。
問題意識に関連しそうな分野に関して幅広く設問を用意し、それらを分析する事により発見します。
「現状と重視度」もしくは「満足度と重要度」を別々に問う事で、何が問題かを発見する方法もあります。
原因追求型
ここではわかりやすいように、問題の発見型と追求型をわけています。
問題の構造や要因を探るための調査です。
問題の原因に関して、ある程度仮説をたて、それらを予め設問に設けておくことが重要です。
分析時に、各種クロス分析、G-P分析や相関分析等の統計手法を活用しながら原因を探ります。
施策の効果測定(PDCA)型
導入された施策の取り組み・運用状況や、効果について確認するための調査です。
より具体的な聞き方ができるので、答えるほうも答えやすく、定期的に実施する事でその効果を定量的に把握する事が可能です。
ストーリーテラー型
会社として取組んできた方針や施策についての認知や運用状況等を答えてもらうことで、「会社の取り組みを振り返ってもらい」、「内容を再認識してもらう」効果が期待できます。
設問をうまく設計することによって、「方針・施策導入の意図や思い」を理解してもらえます。
ガス抜き型
回答することで、回答者の溜飲を下げる又はガス抜きを行なう効果を狙ったものです。
「会社に本音を言ってやった」、「現場の実態を隠さず書いてやった」といった思いを回答欄を通じて受け止めます。
通常、設問は、一見するとネガティブな内容について聞くことが多いようです。
もしくは、自由記述式で書いてもらう方法も有効です。
ガス抜き型は一見すると他責で無責任な意識を助長するようにも感じますが、人間は他者に自分の非を指摘されても、すぐにそれを受け止めて前向きに行動を変えることがなかなかできません。
まず自分以外の第三者や環境に対する不平や不満をある程度吐き出した後でなければ、自分の非について自分自身を見つめなおす余裕が持てないようです。
そのような意味でも、自分達について見つめなおす前段階として、ガス抜き型は有効です。