調査実施に適した時期はいつか?
避けたほうがよい時期
まず、調査時期を考える上で避けたほうがよい時期について考えてみましょう。
一般的に、以下の時期は避けたほうがよさそうです。
- 月末、期末等、日常業務に追われて余裕の無い時期(⇒それどころではない)
- 人事異動・組織変更を実施して間もない時期(⇒新しい組織・上司についてよく知らない)
- その他、組織の中で重要なイベントと重なる時期(⇒それどころではない)
回答する従業員の立場になり、回答時期を設定しましょう。
余裕をもって現状を把握する上で適した時期があるはずです。
自ずと決まってくる実施時期
もう一つ、企業のマネジメントサイクルと歩調を合わせて調査のスケジュールを設定する事が重要です。
調査を実施した結果を活用することを想定したときに、活用する場が設定されていて、そこに間に合わせるということです。
例えば、翌年度の計画に反映させるのであれば、計画立案時期までに分析・報告を終えている必要があります。
そうでなければ、調査結果を現場で有効に活用できず、「あ~おもしろい結果が出てたね」、「いいガス抜きになった」で終わる可能性が高くなります。
悪い例
年度の始まりが4月の会社で2月に調査を実施して、3月に分析、4月に調査結果を現場の組織長にフィードバックを行ないました。
組織長へ「調査結果を踏まえて職場の問題を検討し、改善・改革のプランを立てなさい」とメッセージを出したとします。
果たして現場の人たちはどう感じるでしょうか?
「4月からの年度計画は今スタートしたばかりだよ・・・」
「プランを作っても現在の組織目標や計画に反映されないんじゃ・・・」
「どうして、計画を作る前に結果をフィードバックしてくれなかったのか・・・」
企業によって、その時期やタイミングは様々でしょう。
4月スタートの計画を、前年の12月から現場の部署で検討する企業もあれば、2月位からといった企業もあるでしょう。
また調査実施から結果をフィードバックするまでに、1ヶ月で足りる企業もあれば3~4ヶ月かかる(かける)企業もあるでしょう。
これらを全て逆算してスケジュールをひく必要があります。
現場で有効に活用してもらうことを前提にすると、最適な実施時期はある程度決まってきます。
以上は当たり前の話のようですが、これまでの私どもの経験では、年度末になって駆け込みで実施を依頼されるケースがまれにありました。
お話をお伺いしてみると
「予算が余りそうだから実施したい」
「実施する事は決まっていたが、担当者も色々と忙しくずるずると着手できずにいた」
「来年は予算が厳しそうだから急遽、決裁をあげて実施しようと考えた」
といったケースがありました。
年間スケジュールを無視して実施すると十分な活用ができないまま終わってしまう危険性があります。